少し前の話ですが、風邪を引いて近所の総合病院にいった時の話です。
待合室で名前を呼ばれ、診察室の手前にある「中待合」のパイプ椅子に座って
いると、診察室から10代後半くらいの可愛い女の子が出てきました。

女の子はそのまま待合室に向かおうとしたのですが、看護師に呼び止められ
「ちょっと説明があるんでここに座って待っててね。」と僕の横に座るよう促され
たんです。

素直にその娘も僕の横に座り、僕は僕で病気のくせに「超ラッキィ~♪」と内心
浮かれてその娘から漂ってくる甘い香りを堪能していました。

看護師はその子を座らせたまま一旦処置室に向かったのですが、なにやらガサガサ
音を立てたかと思うとすぐに僕らの席まで戻ってきてその娘に向かって「説明」を
始めました。

「さっき先生からも説明があったと思うけど、これから検査をするのでお腹の中を
キレイにしなくちゃいけないの」

相手が10代の子だからだろうか、20代後半と思われる看護師の口調も上から諭す
ようなもので少し鼻に付いた。・・・っていうかお腹をキレイに???

看護師の手には透明な液の入った小型のラグビーボールのような形のものが握られて
いる。先から出ている管がやけに長くて20センチくらいあって異様に見えた。

看護婦は続ける。

「それで、いまからトイレに行ってこの管のこの位までをお尻に入れて・・・」

看護師は管の7~8センチくらいのところを指差している。女の子は僕の存在が気に
なってしょうがない様子で挙動不審になっている。僕だって居たたまれない気持ちに
なってはいるが、診察室から呼ばれるまでここを動くわけにはいかない。

ちょっと看護師の悪意を感じた。

「全部液を入れたらすぐに出さないで最低5分は我慢してもらいます。」
「5分たったら出してもいいけどうんちは流さないで私を呼んでね。」

うんち?普通「便」とか言わないか?
もう女の子は俯いて一点を見つめてるし・・・

ちょうどそこで僕は診察室から呼ばれてしまったので、その後の女の子がどうなった
かは分かりません。
ICレコーダーで録音したわけじゃないので一言一句同じ言葉ではないけれど、看護師の
言葉は大体こんな感じで間違いないです。僕は女の子が気の毒でしょうがなかった。可愛い
子だったので余計にそう思ったのかな。看護師にはちょっと「意地悪してやろう」的な悪意
が見えてちょっと嫌な感じ。

医療機関において排泄は羞恥の対象じゃない大切な事だというのは理解できない訳じゃない
けど、普通に生きてきた日本人にとってうんちはやっぱり恥ずかしい事だよ。