入口が男女とも開きっぱなしとはいえ男性用と女性用の間に車椅子用のトイレが配置
されているので入口経由でしか音が聞こえないハンデがあるうえに少し距離がある。
グループがトイレに入った途端にキャーキャー大騒ぎになった。多分この臭いに騒いで
るんだろう。それほどにアンモニア臭が強烈に漂っていた。きちんと管理はされている
ようだが真夏の汲み取り便所の臭気は致し方ない。中国あたりだともっとトイレ事情が
劣悪と聞いていたが北海道旅行を楽しめる身分の富裕層にはこの環境がショックだっ
たのだろうか。もしかしたら台湾人だったのかもしれない。
入れ替わりに個室を利用しているようだったが遠くの方で聞こえる便槽に液体が滴る
音以外に排泄音を聞くことはできなかった。その滴り音も入口経由で聞こえてくる音な
のか便槽経由で聞こえてくるのか判断しかねる程に音が小さい。しかし例えこの程度
でも音が聞こえてくるのなら大きなおならや下痢の排泄音を聞くことは可能かもしれな
いと期待を高める。
しかしこれといった収穫もないままに中華圏グループがにぎやかなままトイレから出て
いった。手洗いの水道が止められてるのでみんな手を洗ってないんだよな・・・まっ、い
いけど。その間も駐車場には車やバイクの出入りの音が絶え間なくし続けていた。
ここでトイレに入ったついでに小用を和式便器の穴の中めがけて落とし込んでみた。
しかし直接便槽内の汚物に当たってる音はせずに少し間を置いてから滴る音が小さく
聞こえてくるだけだった。やはり便槽へと向かう筒が傾斜しているのだろうか。女性用
も同じ構造だとするとうんこが便槽内の汚物とぶつかる所謂「ぼっとん」という音を聞く
ことはできないかもしれない・・・つくづく世の中は思い通りにならないものだと感じた。
男性の方に誰かがやってくる。しかし入ってきてまもなく用を足す様子もなく出て行って
しまった。もしかしたら一個しかないこの個室を使いたかったのかな?でもノックはされ
てないし・・・しばらく様子を見ることにする。
ジャラッ・・・ジャラッ・・・ジャラッ・・・
駐車場の方から金属的な音をさせながら誰かが歩いてくる。何の音?アクセサリー?
ヘビメタ?ジャラジャラの音が女性用のトイレの方に歩いていく。
女性だったんだ・・・
とりあえず年齢や容姿も分からぬまま「ジャラ美」と名付けた。ジャラ美は誰もいない
女性用トイレの個室に入った。
バタンッという扉を閉める音がハッキリと聞こえた。
先ほどの中華圏グループの時にはこんなにクリアに聞こえなかったのに・・・そういえ
ばさっきまで入口前にエンジンをかけたまま停まっていた車がいつの間にかいなくな
っている。これは2泊3日で初めての奇跡なのか?
シュィ~~~~~~~ジャバジャバジャバ~~~
一時の静寂のおかげでジャバ美の排泄音が意外としっかり聞こえてきた。神経を集
中してその音の奥に埋もれてしまってるかしれない排便音やおならの音を探ったが
聞こえてこない。排泄音が消え液体が便槽に液体が滴る音だけになる。
・・・・・・バタンッ!
ジャラ美はおしっこだけをすると来た時と同じようにジャラジャラ音を立てながら駐車場
へと消えていった。容姿を確認するべきか一瞬悩んだがさっきの男性が個室に戻って
くる可能性を考えたらここに篭っていられる時間もあとそんなに残っていない。目的をう
んこの音一本に絞ってラストチャンスに賭けることにした。駐車場から大型バイクのよう
な太い排気音が聞こえ遠くに消えて行く・・・もしかしてジャラ美はバイク乗りだったのか?
その後数分粘るが誰もトイレにやってこない。
・・・と思っていたら男性の方に誰かが入ってきた。そして強くノックをされる。
・・・ここも潮時か。
軽くノックを返しわざとにベルトをカチャカチャさせる音をさせてから個室を出た。そこには
ループタイを締めたおじいちゃんが立っていて不機嫌そうにしていた。
じいちゃんごめん・・・
以上「(報われない)地味な活動」の記録でした。
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