今から20年くらい前の話です。

仕事の研修として渋谷の路上でチラシ配りをしていた時のこと。真夏の日差しを浴びながら汗だくでチラシを配る僕のすぐ近くで、同じく汗だくになりながら駐車場に出入りする車と歩道を行き来する人達を誘導してる係の人がいました。若い女性でした。

僕はあと一時間もチラシを配ればエアコンの効いている職場へ戻れるけど、この娘はきっとあと何時間も誘導を続けなきゃならないんだろうな、日焼けとか大変そうだな、と思いながら何気なくその女性の顔を見てハッとしてしまいました。

その女性が数カ月前の有名スカトロ雑誌でうんちをしていた娘にそっくりだったのです。

そっくりというか本人だとしか思えない。奇麗だけど特徴的な顔立ちだったので僕の脳内にはハッキリとうんちをしているその女性の顔が思い出せた。そしていま僕の目の前で誘導をしている娘の顔とその女性の顔が綺麗に重なる。

僕はその女性の邪魔にならない程度の場所に陣取ってしっかりと顔を拝む。余りジロジロ見る訳にはいかないのでお互い仕事をしている状態のままだったが、なんとかしっかりと顔を拝む事が出来た。数回だけど目と目が合った。多分本人だったと思う。

世の中にはそっくりな人が3人いるとかいうけれど一卵性の双子でもなければここまでそっくりという事もないだろう。

さすが首都だ…

なぜかそう変に納得している自分がいました。

そうだよな、雑誌でうんちをしてる娘だって実在するんだよな。モデルさんだけで食べていけないなんて事も普通にあるだろうし、しかもそれがうんち写真だったらそれ以外の仕事をしているって考える方が普通だよな。その仕事がたまたま駐車場の誘導員ってだけの話だ…

僕はそう納得してチラシ配りを終えました。当然声を掛けるだなんて事もしませんでした。声を掛けようとも思いませんでした。

なんかそれは違うような気がしたからです。

 

うんちまでもを再現する企業努力・・・僕は嫌いじゃありません( ・`д・´)