泌尿器科を受診すると決めたものの診療時間が間に合わなくなるので一度家に帰ってシャワーを浴びる時間が僕には無かった。

夏に一日中仕事をした状態で泌尿器科を受診しても良いのだろうか?下腹部痛と血尿でいきなりチンチンを診られる事はないだろうけれど前立腺の疾患を疑われたらお尻に指を入れられてしまう。

僕が受診を躊躇している理由はお尻に指を入れられたくないからだが、さらにお風呂に入ってない状態でそのお尻を誰かに見せるのがたまらなく嫌だった。

一瞬そのまま家に帰っちゃう事も頭をかすめたが翌日遅番で一緒になる姐さんに怒られるのはどうしても避けなければならない。

とりあえず受診する事だけを決めて洗ってないお尻の穴をどうするかを考える事にした。ぼやぼやしていると診療時間が終わってしまう。タイムカードを押した僕は普段開放されていない宴会場のトイレに向かった。

誰も来ないトイレに入った僕は一応便器にしゃがんで踏ん張ってみた。お尻に指を入れられたときにうんちやおならがあったら恥ずかしい。そんなのはあってはならない事だ。

しかし踏ん張っても何も出なかった。そういえばお昼休憩にうんちをした事を思い出す。

うんちして洗ってない肛門を誰かに晒すとか出来ない…どうしよう…

とにかく拭き残しがあってはならないのでペーパーで改めてお尻を拭き直す。当然なにも付かなかったが、ここで新たな疑念が湧いてくる。

もしかしてペーパーの滓がお尻周りに付いたりしてないだろうか?

これはこのままでは確認のしようがない。慌ててバッグの中をあれこれ探してみたがそもそも僕は普段から手鏡を持ち歩く習慣がなかった。

でも、手鏡は無かったが夏なので持ち歩いてた制汗シートがバッグの中から出てきた。汗をかいてベタついた肌を拭いてスースーさせるあれだ。

やるしかない…

やおら制汗シートを一枚取り出すと僕はそれを肛門にあてがった。

ん?意外と沁みないぞ。

ヒンヤリとした感覚はあったが沁みるとか痛いという感覚はない。僕は安心してシートでお尻を拭き始めた。その刹那、

あ゛〜〜〜〜〜〜

猛烈な感覚が肛門を襲う。スースーなんかじゃなくてカーーーー!ってなるくらい熱いのが時間差でやってきた。さすがに声を出すのは耐えたけど、僕はお尻を拭くという一番情けない格好で固まってしまった。

30秒くらい経っただろうか、熱のピークが去ると案外お尻が平気になった。それを待って僕はシートで丹念に肛門周辺を拭き直す。もう開き直ってゴシゴシと何度も。

手鏡がないのでペーパーの滓があるのかないのかは見えないが、これだけシートで拭けばある程度の汚れはきっと落ちただろう。

診療時間が終わってしまうので急がなくてはならない。急いでパンツをあげようとした時にふとまた別な疑問が湧いてくる。

チンチンはそのままで大丈夫なのか?

やるしかない…

肛門とチンチンに若干の火照りを感じつつ、僕は診療時間ギリギリの泌尿器科へ向かった。

 

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  うんちまでもを再現する企業努力・・・僕は嫌いじゃありません( ・`д・´)