結局その日はお尻に指を入れられる事もチンチンを見られる事も無かった。アナル処女も守られたしチンチン御開帳も回避できた。でも僕の心は全く晴れなかった。
それは回避出来たのが単に診療時間ギリギリに行ったので詳しい検査類を翌日に回されただけだったからである。
尿検査だけして「ハルフォードさん。悪い菌は出なかったですよ。」と言われ、言われるがままに翌日の検査の予約を入れ、そのまま帰されてきた。
「悪い菌は出なかったですよ。」ってどういう意味なんだろ?良い菌は出たのか?悪い菌ってなに?
頭の中がごちゃごちゃして考えがまとまらない。
そんな事より明日肛門に指を入れられるかも…
気分的には死刑執行を一日ずらされただけのようなものだ。気分が晴れる訳がない。むしろ鬱傾向が出始める。ヤバい。これヤバいやつだ。自分ではコントロール出来ないタイプの落ち込みがやってくる。
あの腕毛と手毛がモジャモジャの先生が僕のお尻の穴に指を入れるのか…
病院からの帰り道にずっとその事ばかり考えてしまう。想像しただけで鳥肌が立つくらいおぞましい。
あぁ〜俺のアナル処女はモジャモジャ先生に奪われるんだ…
アナル処女か…
せめて誰か可愛い娘にプレイで奪われる方が良かったな…
あっ、そうだ!
家に着いた僕はあきこちゃんに電話をしていた。
「あきこちゃん突然で悪いんだけど…」
「なぁ〜に?」
「男の人のお尻に指を入れた事ある?」
「あるよ?はるくんして欲しいの?」
「うん…」
「え?どうしちゃったの?そういうの嫌いなんじゃなかったっけ?急に目覚めたの?」
「そうじゃないんだけどちょっと急ぐんだ…」
「いま?暇だから別にいいけど。」
「これから迎えに行くからいつものコンビニで待ってて。」
「わかったよー」
30分後、あきこちゃんの家の近くにあるラブホテルに僕たちはいた。
ピックアップしてからホテルまでの道中に今回の顛末をあきこちゃんに伝えた。最初あきこちゃんは僕のありえないくらいの落ち込み具合にビックリしていたようだったが、明日肛門に指を入れられる可能性がある事と、もしかしたら僕の前立腺になにか不具合が起きてるかもしれないという事を伝えると色々と察してくれたようで「はるくんのアナル処女いただいちゃいまぁ〜す♪」と努めて明るく振る舞ってくれた。
「準備しておくからその間にシャワー浴びておいで!ほら!」
ホテルに着いてからもグズグズしている僕にあきこちゃんがそう促した。あきこちゃんは僕より年下なんだけどいつも会うとあきこちゃんが姉で僕が弟みたいな感じになる事が多かった。
雰囲気がお姉さん然としていて、いつも僕はそれに弟っぽい振る舞いをして甘えていた。
シャワーを浴びてベッドルームに戻るとベッドの上にあきこちゃんがいて、そこにバスタオルが敷いてあり簡易診察台が出来上がっていた。
「はるくんこっちおいで♪」
いつもと違った少し営業モードっぽい笑顔のあきこちゃんがおいでおいでをして僕を呼んでいる。
ここまでしてもらっておいてもう逃げるわけにはいかない。
僕は覚悟を決めてベッドの上にあがった。
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