僕は人の気配がするトイレでうんこをするのが苦手なので、基本的に
余裕がある時は人気のないトイレを探してからプリる事にしています。
ただ、こういった行動はたまに大きく裏目に出ることもある訳で・・・
もう10年以上も前の話です。その日は大きなショッピングセンターで
一人で買い物をしていたのですが、急な腹痛に襲われてしまいトイレ
を探すことになりました。人の往来がたくさんある場所のトイレはすぐ
近くにあったのですが、おしっこ以外でこういうトイレを使うのが苦手な
僕は人気のないフロアの奥にあるトイレを思いだしそこに直行しました、
特にトラブルもなく無事にプリり終わり、トイレットペーパーでお尻を拭
いると廊下から誰かが急ぎ足で歩いてくる音が聞こえてきた。そして
その足音が男子トイレの中へと入ってくる。
ギィ~・・・ 「マジかよ・・・」
確かに「マジかよ」という声が消えた。そして激しいノックの音。
コンコンコン!コンコンコン!
こっちがマジかよと言いたいくらいの気持ちだった。こっちはやっとお
腹が痛いのが治まったところなのになんで激しくノックされなきゃいけ
ないの?個室が埋まってたら違うトイレだってあるでしょ?
コンコンコン!コンコンコン!
外の人が諦めずにノックをしてくる。この辺りからちょっと怖くなってき
た。なんでほかのトイレにいかないんだろ?もしかしてオレ因縁つけ
られてる?それともちょっと頭がおかしい人に興味持たれちゃった?
どちらにしても怖いので外の人が諦めるまで息を殺してダンマリを決
め込む事にした。
コンコンコン!コンコンコン!コンコンコン!
「・・・すみませぇ~ん・・・」
へっ?(゜д゜)
なんだか外の人の様子が変だ。弱々しい声で呼びかけてくる・・・
「すみませぇ~ん・・・お願いですから出てくださぁ~い・・・」
なんかよくわからないが急に出てあげなきゃいけない気がしてきた
ので僕は個室から出ることにした。
個室から出るとトイレの前に中1くらいの男の子が立っていた。可愛
い顔立ちだが極端な内股で前屈みになりながら震えている姿がかな
り異様に思えた。
「すみませぇ~ん・・・ありがとうございますぅ~」
男の子は僕にお礼を言いながら個室へと消えていった。そして衣擦れ
の音のあとに激しい下痢の音が聞こえてくる・・・
(あっ、下痢だったんだ・・・なんだか悪いことしたな・・・)
「あ~間に合ったぁ~」
トイレの中から弱々しい安堵の声が聞こえてきた。どうやら思ってる事を
口に出してしまうタイプの子のようだ。
子供とはいえ同性の下痢の音を聞き続けるのは嫌だったので急いで手
を洗うと僕はそのトイレを後にした。
それ以降、個室が一つしかないトイレも僕の苦手なトイレの仲間入りとなった。