先週のことですが、スマホの調子が悪くなったので近所の携帯ショ
ップに行ったときの話です。
週末だったので店内はお客さんで賑わっていました。しかも全ての
店員さんが誰かしらの接客をしていて手が離せない様子。僕はカウ
ンターに空き席を一つ見つけたのだけれど店員さんが誰もいない席
へ勝手に座ってもいいものなのか分からずに戸惑ってしまいました。
すると、カウンターの奥にある事務室のようなところから若い女の子
がひとり出てきました。明るく染めた髪の色と化粧加減が若々しさを
全面にアピールしている。 同じ接客業でも飲み屋のお嬢ちゃんみた
いな印象だ。これは販売員の格好としてはアウトだろう。
(新人の子かな?)
「いらっしゃいませ!どうぞこちらへ(^-^)」
新人の子は僕の存在に気付くとにこやかに挨拶をしてカウンターの
空き席へ僕を案内した。 そして他の店員を探すかのように店内を見
回した・・・が、店員はすべて他のお客さんの接客中だ。
(新人の子じゃしょうがない、今日はちょっと待たされそうだな(´・_・`))
バイトの子は誰かを探すかのように奥の事務所へ一旦入っていった
が直ぐに戻って来てそのまま僕の接客についてしまった。
(あららら・・・誰もいなくて新人が担当になっちゃった(´・_・`))
悪い予感が当たってしまい、新人の子はスマホの不調を再現するの
にかなり難儀している。っていうか、僕との会話もなんだかしどろもど
ろで心ここにあらずといった感じだ。緊張してるというよりはやはり気
もそぞろでなんかそわそわしている。
(新人にしてもちょっと酷い・・・あっ・・・えっ?Σ(゚д゚lll))
僕は信じられないものを発見してしまった。新人の子のネームプレー
トに店長という文字が書かれている。
(この子が店長?この店はこども店長システムでも採用してるのか?)
女の子のネームプレートは確かに手書きではあったが店長と書かれ
ている。いや、他の店員のネームプレートも全員手書きだったがどう
やら店長と書かれているのはこの子だけのようだ。
(マジで?・・・この店の店長は持ち回り制なのか?(゜д゜))
にわかには信じられないが、もしかしたら本当にこの子が店長なのか
もしれない。この容姿にこの接客態度でだ。もう僕は怒る気も失せて
成り行きに身を任せようとしていた。僕はスマホが直りさえすればいい
んだ。そもそもこの店を選んでしまった僕が悪いんだし・・・。
不調の再現はできなかったが無料で修理をしてもらえることになった。
女の子は明らかに何かを急いでいる。なにやらバタバタと書類を記入
したりパソコンへ打ち込みをしていた。
「それではこちらの方のご記入をお願いします。」
パソコンの打ち込みを終わった女の子が書類を2枚出してきた。僕の
連絡先を記入する用紙とショップのイベントに関係するアンケート用紙
だったので直ぐに僕は記入を始めた。この流れで行くとこれを書き終わ
りさえすれば今日は帰れそうだ。
「お客様申し訳ありません・・・」
「はい?」
女の子がすまなそうに書類に記入している僕に声をかけてきた。
「ちょっと・・・お手洗いに・・・」
「あっ・・・どうぞ。」
(なんだオシッコ我慢してたのか・・・だからそわそわしてたんだなwww)
女の子は気まずそうに僕に会釈をするとカウンターから出てそのまま
お店から出て行った。ここのお店はショッピングモールに入っている店
舗なのでトイレはお店から出たフロアの向かい側に入口がある。お店
の入口全面がガラス張りになっているので僕の座っている位置から女
子トイレに入っていく女の子の姿がよく見えた。
(さ~て、書き終わったぞ。あれ?女の子がまだ戻ってこない・・・)
住所と簡単なアンケートだけだったので記入自体は数分もかからずに
終わったが女の子がまだ戻ってこないので待ちぼうけをくらってしまっ
た。暇なので女子トイレの入口を眺めながら戻ってくるまでの時間を計
測することにする。たぶん女の子がトイレに入ってから3分ぐらい経過
しているはずだ。
(4分・・・5分・・・6分・・・うんこ?)
一瞬トイレが混んでいて時間がかかっているのかとも思ったが、先程
から見ている限り女子トイレの出入りは殆どなかった。そもそも女子ト
イレはここ以外にもたくさんあるのでここだけが入れないくらいに混む
なんてことはありえないだろう。
(そっか、おしっこじゃなくて便意と戦ってたんだ(´∀`)7分・・・8分・・・)
あともう少しで10分経過というところで女の子がトイレから出てくる姿
が見えた。ずっと視線を送り続けても良かったが、女の子の気持ちを
思うとちょっとだけ気の毒になってしまい僕は一旦視線を書類に持って
いく。そして女の子が店内に入ってきた瞬間を狙って改めてハッキリと
顔を女の子の方に向けて視線を合わせた。
女の子が何も言う前に表情が全てを物語っていた。そう・・・うんこの照
れ笑いだ。 客を待たせたことが申し訳ないという表情では断じて無く、
いま自分がしてきたことを相手に悟られてしまったというときに女性が浮
かべる表情だった。
「お待たせしちゃいました・・・」
「あっ・・・いえ・・・」
「それではこちらの封筒に控えを入れときましたので・・・・」
「はい」
「修理が終わりましたらこちらからご連絡差し上げます。」
「それじゃよろしくお願いします。」
女の子が戻ってきてからのやりとりはたったこれだけである。控えを封
筒に入れる時間を入れても1分もかかっていない。
女の子はその時間が待てなかったのである。
便意に耐えられなかったのである。
うんこがしたくてしたくてたまらなかったのである。
可愛い(*´ω`*)
車の中で封筒を開けると名刺が一枚入っていた。
「店長 ○澤○○菜」
本当に店長だったんだ( ̄▽ ̄;)!!
店長なのにお客さんをうんこ待ちさせるなんて・・・
なんて可愛いんでしょう(*´ω`*)
接客中にうんこに行くくらいだから本当に切羽詰ってたんだろうけれど、
うんこしてる最中いったいどんな気持ちだったんだろう?
そして、僕のキャラクターでは初対面の人には絶対言えないけれど、戻
ってきたときにもし僕がこう聞いたらいったいどんなリアクションをしただろ
う?
「いまうんこしてきたでしょ?」