むかしキャバクラ(北海道ではニュークラ)で飲んでいた時に隣のテーブルで盛り
上がってたお兄さんが「このまえ友達が観覧車の中でうんこ漏らしちゃってさぁ~」
という素晴らしい話を始めたことがあった。どうやらその友達は女性らしい。僕はその
話の顛末が聞きたくて聞きたくてしょうがなかったけれど、僕に付いてくれているホス
テスさんの手前どうしてもそのホステスさんとの会話を中断できずに会話をしながら
隣のテーブルの会話を聞くという滅多に使わない能力を試される事になったのです。
そりゃもう直ぐに大混乱に陥りました。目の前にいる可愛いお姉ちゃんの話よりも
神経は確実にとなりのお兄さんの話に向いてましたがこんな時に限ってお姉ちゃ
んのテンションが高くて色々と話しかけてくる。今日はイイって・・・(´・_・`)
混乱しながらもなんとか聞いていると、どうやら行列に並んでる時から腹痛訴えて
いた事や観覧車に乗った途端にピークを迎えて漏らしちゃったという内容が聞こえ
てくる。
「くせぇ~けど降りられないしさぁ~www」
彼が人間的に最低な事だけは理解できた。
「めちゃくちゃ泣かれたんだけどさ、泣きてぇのはこっちだってぇのwww」
その子は一体どんな気持ちでゆっくりと回る観覧車に乗っていたんだろう。
「そんなこと言ったら可哀想だよぉ」なんて言いながらも気持ちの篭ってないホステス。
「次に乗ったカップルも可哀想だね」やっぱり小馬鹿にしているようだ。
僕が彼の立場だったらどんなに良かっただろう。これのちょっと前に偶然女友達と観覧
車に乗るという体験をした僕にどうしてうんこの神様は微笑んでくれなかったんだろう。
この男のように馬鹿にしないで「ちょっとエッチな秘め事」くらいに治める事ができたのに。
当事者が無理でも次に乗るカップルとして僕たちが選択されても良かったのに・・・
あっ、でも僕の相方がニオイで具合悪くなっちゃうかも・・・うんこ客の次がゲロ客・・・
ん?ゲロ?
そういえば先日「おゲロの話」をここに書きましたが、そのきっかけになるような事が
ありまして・・・
いつものように休憩(サボり)に使っている病院のロビー。お昼近いのにまだまだ混雑
していた。トイレの入口が視界に入るように椅子に座り誰か可愛いコが入らないか待っ
ていると内科受付にセーラー服を着た女子高生とそのお母さんらしき人がやってきた。
顔を見ると女子高生はまだまだ幼い顔立ちだけど十分可愛い。それよりお母さんが美
人で印象的だった。僕と少し離れたところに2人は座った。
「よし…これだったらどっちがトイレに行ってもOK♪ 音を聞きに行こう!」
変態の虫が騒ぎ出す。しかしこればかりは相手次第なので気長に待つしかない。
誰か入らないかトイレの入り口あたりをボォ~っと眺める僕。
一瞬ロビーの空気が変わった。なんて言えばいいんだろう?学校のざわめいた教室が
急にシーンとなる感じに近かった気がする。
みんなの意識が女子高生に向いている。看護師さんが駆け寄ってきた。その子が手に
持っていたコンビニ袋を口に当て俯いた・・・
オウェ~~~・・・ウエェっ・・・げぇっ・・・げほっ
おっさんの朝の歯磨きみたいな女子高生に似合わない声でゲロを吐き始める。
「あらま~可哀想に」なんて言いながら近くに座っていた婆ちゃんどもが興味本位で覗
き込んだりしている。僕は一瞬で心拍数が上がり胃の中がカァーっと熱くなった。
看護師に背中をさすられながら一通り吐き終えるとこの子は自力で立ち上がりスタス
タと処置室へ歩いて行った。
ん?案外平気そうだけど・・・なんでトイレまで行かなかったんだろう?
あまりの具合悪さに耐え切れずに吐いたというよりは「鼻をかんだ」程度の気軽さで
吐かれたようなゲロ・・・
しばらくすると処置室からその子と母親が出てくる。彼女の手にはコンビニ袋・・・
人前で吐いた事をなんとも思わない様子のまましっかりとした足取りでレントゲン室
の方に歩いて行った。
何なんだろう・・・この違和感・・・
それはともかく僕がうんこ好きなように世の中にはゲロ好きもいるでしょう。
そのゲロマニアの人に僕の立場を譲ってあげたかった。